何があるか分からないな・・
二人の軽妙な語りや演技で会場は笑いに包まれた。
幕あいの休憩時間に妻がトイレに行き戻って来た。
「混んでた?」
「今、女性用はたくさん並んでたわ」と妻。
私もトイレを済ませておこうと思い席を立った。
なるほど女性用は30人ほど並んで順番を待っていた。
「女の人は大変だな」
男性用トイレはすんなり入る事ができた。
トイレの中は私一人、入口近くの便器の前に立ち用を足そうとすると、女性用トイレの混雑を整理しようとするスタッフの男性の声が響いた。
「これから男性用のトイレも開放しまーす!」と・・。
「えっ、どういう事?」
するとスタッフに誘導された女性がドドドっと男性用のトイレになだれ込んで来た。
「ちょっと待って、これからなんだから」
私は今まさに用を足そうとしていた無防備な体勢で、入って来た女性たちの気配にかなり慌ててしまった。
スタッフが女性たちにこちら側に背を向けて並ばせるなど、視界に入らないよう配慮はしてくれたのだが・・
私はこの状況に耐えきれず、用を足さずにトイレを出て来てしまった。
「もっと図々しくならないとダメだな」
「それにしてもまいったなー」