懐かしの年越し・・

昔の話になるが、私の子供の頃の年越し正月は、今のように何でもあった時代ではなかったが、とても楽しかったのを覚えている。

私の祖母の家に行って年末年始を過ごした時には、家族総出で年越しの準備をしていたものだ。おせちに使う黒豆など煮しめ料理の美味しそうな香りが家の中を満たしていた。

また、臼と杵を使い餅をついた。近所の家でもあちこちで「ペッタンペッタン」とつく音と「ヨイショ、も〜ひとつ」の掛け声が響いた。

白、豆、よもぎ・・・湯気の中から餅がつきあがる。

「つきたての餅は美味かったなあー」

大福、のし餅、鏡餅など次々に出来上がっていく。家族みんなで年越しの準備をして新年を迎えるというのが一般的だったのかな。

ひと通り正月準備を終え、テレビの紅白歌合戦を観ながら年越しそばを食べる。これが私の大晦日の一番の楽しみだったな。眠たい目をこすり遅くまでテレビを観ていたことを思い出す。

今は何でも便利な世の中になり、正月料理も作らなくても売っている。これはこれで今の時代、必要な人が多くなっているんだろう。

ただ便利な世の中になればなるほど、あの頃のゆったりとして厳かな気分になれた年末年始が懐かしく思い出される・・・。