照ノ富士関おめでとう!

いゃー凄い凄い!元大関照ノ富士ひざの大ケガで序二段まで番付を下げ14場所ぶりに幕内に返り咲き平幕17枚目で優勝。14場所ぶりと言っても、相撲は年6場所なので約2年半になる。元大関でありながら番付を下げてからの再出発だった。もう一度やれるかどうか何度も自分に問いかけて、相撲をやめようと思った事も、一度や二度ではなかったと思う。その心の葛藤を見事に跳ね除け七月場所の優勝を勝ち取った。臥薪嘗胆ということわざがあるが、ひざのケガが回復したら絶対元の番付地位に戻ってやるぞと言う、並々ならぬ強い意志と厳しい鍛練でここまで戻って来たのだと思う。もともと実力は誰もが知る通り相当なものであった。ひざがやっと回復し、相撲が取れる状態になると入門間もない若い新弟子が相撲を取るような下の番付での一からの出直しだった。元大関と言うプライドをかなぐり捨て相撲に打ち込んだ。ひざが順調に回復しはじめ、元々持っていた力が出せるようになり、番付がドンドン上がって行った。そしてとうとう幕内まで上り詰めての優勝。さぞかし言葉には出来ない喜びだっただろう。でも、取組後のインタビューでも淡々とした口調で受け答えをしていた。身体さえ万全であれば、優勝する力は誰にも負けない。優勝するのは当然だとでも言いたそうな感じがした。また照ノ富士がいない間、若手が台頭し上位に位置している事にも、「俺がいるのを忘れるな!」と言いたげに・・・。何か格が違う王者の風格さえ漂っていた。